当初の想定は午後5時。それが二転三転し、最終的には午後9時半からとなった。
そこで私たちはさらに驚かされた。
公表される予定だった休業要請の対象となる具体的な業種や施設が、「国と調整中」であることを理由に示されなかったからだ。
何か想定外の事が起きている――
記者会見終了後、都の幹部から情報が寄せられた。
「都の要請の基準に対し、国から『厳しすぎるので、もう少し対象を緩くして欲しい』という意見があり、調整している」
国が「待った」
翌7日。
国会では、正午から衆議院議院運営委員会が開かれていた。
安倍とともに委員会に出席していたのは、新型コロナウイルス対策の特別措置法を担当する西村経済再生担当大臣。その答弁が、前日に抱いた疑問への答えを示した。
「理美容、ホームセンターはいずれも、私たちが安定的な国民生活を営む上で必要な事業であり、継続して事業ができるように考えている。小規模で身近なところでやっておられる理容室は、利用制限の対象とすることは考えていない。ホームセンターについても考えていない」
すでに報じられていた都の当初案を真っ向から否定したのだ。
午後8時。
宣言発出についての安倍の記者会見はまだ続いていた。そのさなかに小池は記者会見を開いた。